「その分野、もうライバルだらけですよね」
新しい事業の相談をしていると、必ずこの話になります。
そして、たいていの事業主様は競合が少ない方向に逃げようとします。
気持ちは本当によく分かります。
誰だって、空いている場所で商売したいですから。
でも、正直に言いますね。
競合がいない市場を選んだ会社ほど、静かに消えていきます。
逆に、競合だらけの市場に飛び込んだ会社のほうが、普通に生き残ります。
今日は、その理由と、実際にどう戦うかまでをお話しします。
この記事の要点を、先にまとめます。
- 競合の数は、そのままお金が動いている証拠です。まず見るべきは勝てるかではなく、そこにお金が流れているかです。
- 競合が少ない市場は、需要がないか、既に何社も撤退した後である事がほとんどです。
- 戦い方は、対象を1段階だけ絞るだけです。3段階も絞ると、今度は人がいなくなります。
- 大手が絶対にできないのは、対象を狭く絞る事と、担当者の顔を出す事です。
- 最後に選ばれる決め手は、価格ではなく、自分の状況が書いてあるかどうかです。
では、順番に説明していきます。
競合の数は、そのままお金が動いている証拠
なぜ競合が多い市場のほうが美味しいのか。
理由は単純で、競合の数がそのままお金が動いている証拠だからです。
会社は、儲からない場所には居続けられません。
10社が同じ商売をしているという事は、10社が食べていけるだけのお金がそこに流れているという事です。
これ、当たり前のようでいて、判断の時にはすっぽり抜け落ちます。
競合を見た瞬間に、頭が「勝てるか」だけになるからなんですよねぇ。
でも、最初に確認すべきは勝てるかどうかではありません。
そもそも、そこにお金が流れているかどうかです。
順番を間違えると、こうなります。
競合が少ない場所を見つける。
勝てそうだと感じる。
参入する。
そして、そもそも客がいない事に半年後に気づきます。
勝てるかどうかは、参入した後でも調整できます。
でも、お金が流れていない市場は、どう頑張っても流れません。
競合が多い市場では、必要性の説明を全員が代わりにやってくれている
競合が多い市場には、もう1つ大きな利点があります。
お客様が、その商品の必要性を既に理解している事です。
必要性を説明する仕事は、実はいちばん高くつきます。
誰も知らないサービスを広めるには、認知に何百万円もかかります。
考えてみてください。
これは何をするものなのか、から説明しなければならない状態。
もう1つは、どこに頼むかだけを迷っている状態。
後者に売るほうが、圧倒的に楽です。
競合が多い市場では、その説明を全員が代わりにやってくれている状態です。
広告を出している会社も、記事を書いている会社も、全部が市場を温めてくれています。
つまり、お客様は「買うかどうか」ではなく「どこで買うか」の段階まで来ています。
この差は、想像以上に大きいです。
そして、もう1つあります。
相場が既に形成されている事です。
相場がある市場では、値段の説明がいりません。
相場がない市場では、いくらが妥当なのかをこちらが証明する必要があります。
これも、想像以上に重い仕事です。
競合が少ない市場が危ない3つの理由
競合が少ない市場には、だいたい理由があります。
そして、その理由は3つのどれかです。
- そもそも、お金を払う人がいない。
- 儲かるけれど、参入に免許や巨額の設備が必要。
- 過去に何社も挑戦して、全部撤退している。
このうち、中小企業が入っていいのは2番だけです。
そして2番は、そもそも入れません。
問題は1番と3番です。
誰もいない市場を見つけて喜ぶのは、たいてい1番か3番を引いています。
僕がよく見るのは、こういうパターンです。
事業主様が「この地域には、このサービスをやっている会社が1社もない」と言う。
調べてみると、5年前に2社あって、両方とも撤退している。
空いているのではなく、空けられたんです。
ここを確認する方法もお伝えします。
- その言葉で検索して、広告が出ているかを見る。
- 出ていなければ、過去に同業がいなかったかを地域の名簿や求人サイトの履歴で確認する。
- 業界団体があれば、加盟数の推移を見る。
参入前に、過去にその市場から誰が撤退したかを調べるだけで、失敗はかなり減らせます。
競合だらけで戦う方法は、対象を1段階だけ絞る事
正面からぶつかる必要はありません。
やる事は、対象を1段階だけ絞る事です。
ここで大事なのが「1段階だけ」という部分なんですよねぇ。
いきなり3段階も絞ると、今度は人がいなくなります。
例えば、リフォーム会社なら、こういう絞り方です。
リフォーム全般ではなく、二世帯同居を始める家のリフォーム。
税理士なら、中小企業全般ではなく、建設業の中小企業。
美容室なら、全世代ではなく、白髪を染めずに活かしたい50代。
この程度で十分です。
絞った瞬間に、その人にとっては競合が10社から1社になります。
絞る軸は、だいたい4つです。
- 業種で絞る。建設業だけ、歯科医院だけ。
- 状況で絞る。創業直後、事業承継の直後、初めての採用。
- 規模で絞る。社員5人以下、年商1億円前後。
- 悩みの深さで絞る。既に1度失敗した人、他社で断られた人。
特に効くのが4番です。
1度失敗した人は、安さより確実さにお金を払います。
そして、その層に向けた言葉を書いている会社は、ほとんどありません。
大手が絶対にできないのは、対象を狭く絞る事
確かに、資本でも人数でも広告費でも、大手には勝てません。
そこで張り合うのは無謀です。
しかし、大手が絶対にできない事が2つあります。
1つ目は、対象を狭く絞る事です。
大手は組織が大きいぶん、一定以上の規模の市場を狙わないと成り立ちません。
年間300件しかない案件のために、大手が専門部隊を作る事はありません。
でも、中小企業にとって年間300件は十分すぎる市場です。
2つ目は、担当者の顔を見せる事です。
大手に頼むと、誰が来るか分かりません。
中小企業なら、事業主様の顔と経歴と考え方を、最初から全部出せます。
高額な買い物ほど、人は「誰がやるか」を気にします。
ここは、規模の大小がまったく関係ない土俵です。
つまり、勝負すべき場所はこうなります。
狭い対象に対して、顔の見える担当者が、具体的な言葉で語る。
これは大手の構造上、真似ができません。
絞った瞬間に、書ける言葉が具体的になる
絞り込みには、もう1つ大きな副産物があります。
書ける言葉が一気に具体的になる事です。
「お客様に寄り添った施工」では、誰の心も動きません。
でも、二世帯で暮らし始めるとまずお風呂の使う時間で揉めます、と書けたら当事者は完全に止まります。
抽象的な言葉しか書けない会社は、絞れていない会社です。
これ、自社の診断にも使えます。
自社のページから業種名だけ入れ替えて他社に貼れるなら、それは絞れていない証拠です。
そして、書ける言葉が変わると、社内も変わります。
誰に売っているのかが、社員にも分かるようになるからです。
対象が決まっていない会社では、営業も現場もバラバラの相手を想像しています。
1行で言える対象があると、判断の基準が全員で揃います。
40代の挫折経験者に絞ったパーソナルジムの実例
例えば、パーソナルジムさんの話です。
パーソナルジムほど、競合だらけの市場もありません。
同じ駅の徒歩圏に何店舗もあり、どこも「完全個室」「リバウンドしない」と書いています。
そのジムの事業主様も、最初は同じ方向で考えていました。
他店より安い料金プランを作って、そこで勝負したいと言われました。
僕はそこで、対象を1段階だけ絞る提案をしました。
話を聞いていると、実際に続いている会員さんに偏りがあったからです。
40代以降で、過去にジムに通って挫折した経験がある人でした。
そこで、ページの内容を全部その人向けに書き換えました。
- なぜ、前回続かなかったのかを、よくある5つのパターンで説明する。
- 1回目の来店で何を測って、何を決めるのかを先に出す。
- 体験の予約前に、担当トレーナーの顔と経歴を載せる。
- 続かなくなった時に、どう立て直すかまで書く。
料金は、1円も下げていません。
結果として、体験の申し込み数はそこまで変わらないのに、入会まで進む割合が上がったそうです。
そして、想定外の効果もありました。
体験に来る人の質問が変わったそうです。
以前は料金と回数の話ばかりだったのが、前回の失敗の話から始まるようになった。
事業主様は、こう言っていました。
「安いから来た人は、もっと安い店ができたら行っちゃうんですよね」
市場は同じです。
見る角度を変えただけなんですよねぇ。
最後に選ばれる決め手は、分かっていると感じられるかどうか
最後の決め手は、価格ではありません。
お客様が、その会社を「分かっている」と感じられるかどうかです。
考えてみてください。
高い買い物をする時、人は必ず複数の会社を比べます。
そして、比べる作業自体がしんどいので、どこかで決めたくなります。
その時に効くのが、自分の状況が、そのまま書いてあるページに出会う事です。
「そうそう、これが不安だったんだよ」と思った瞬間に、勝負はほぼ決まります。
逆に言うと、どれだけ技術が高くても、それが書いていなければ存在しないのと同じです。
お客様は、会社の実力ではなく、書いてある情報だけで判断します。
これは冷たい話ですが、事実です。
そして、分かっていると感じてもらう方法は、実は簡単です。
相手がまだ言葉にしていない不安を、先に書く事です。
工事中、洗濯物はいつ干せないのか。
途中で気が変わったら、どこまで戻せるのか。
聞かれる前に書いてあると、この会社は分かっていると感じてもらえます。
絞り込みを決めた後に書き換える4箇所
対象を決めたら、次は伝え方です。
いちばん大事なのは、対象を名指しで書く事です。
書き換える場所は、4つです。
- トップページの1行目。誰のための会社かを書く。
- サービスページ。その相手だけが持つ悩みを、具体的な言葉で書く。
- 実績。絞った対象の事例を、前に持ってくる。
- よくあるご質問。その分野特有の不安に答える。
順番も大事です。
1番から順にやってください。
トップページが昔のままだと、下の階層をどれだけ直しても伝わりません。
そして、絞り込みは1回で正解が出る事がまずありません。
書いて、反応を見て、言葉を変える。
この繰り返しになります。
その繰り返しを自社で回せる会社が、いちばん早く自分の市場を見つけます。
競合を追い抜くのは、更新を続けている数社に入るだけ
ここで、競合だらけの市場で戦う最大の裏道をお伝えします。
更新を続けている会社が、驚くほど少ないという事です。
同じ駅に何店舗も並ぶ中で、内容を更新している店は数えるほどしかありません。
5年前に作ったまま、絞り込みも書き換えていないホームページが、静かに機会を逃し続けています。
これ、逆に言えばこうです。
月に1回でも更新している会社は、それだけで上位数社に入れるという事です。
更新するのは、大掛かりなものでなくて構いません。
- 新しい事例を1件追加する。
- よくあるご質問を1問だけ足す。
- 季節や状況に合わせて、トップの1行を書き換える。
これだけで十分です。
ただし、ここで問題になるのが速さです。
制作会社に依頼すると、1回の更新で早くて1週間、費用も毎回発生します。
費用がかかると、更新の頻度は必ず落ちます。
自社でページを直せる会社は、その日のうちに1問足せます。
今はAI × WordPress × テーマSnowMonkeyを組み合わせれば、専門的な知識がなくても文章と構成を自分で組み替えられます。
絞った分野の実績がまだ少なくても、書ける事は3つある
絞り込みの話をすると、必ずこう言われます。
その分野の実績が、まだ2件しかないんです、と。
気持ちはすごく分かります。
実績が並んでいないページで、専門を名乗るのは怖いですよね。
でも、実績の件数と、選ばれる確率は比例しません。
件数を並べているだけのページは、実はいちばん読み飛ばされます。
実績が少ない段階でも、書ける事が3つあります。
- その分野に固有の、手順と注意点。
- 他分野との違い。何が特別に必要になるのか。
- 過去1件の事例を、他社の10件分より詳しく書く。
特に3番が効きます。
1件を、打ち合わせから完了まで全部書く。
どこで迷って、何を確認して、どう決めたのか。
読む側が知りたいのは、件数ではなく進み方だからです。
そして、2番も強力です。
その分野だけに必要な確認事項を並べられる会社は、それだけで詳しく見えます。
たとえ実績が2件でも、10項目の注意点を書けたら、その分野を分かっている会社になります。
もう1つ、正直に書くという手もあります。
「この分野は、まだ3件目です。だから、確認する項目を全部お見せします」
隠すより、正直に書いて中身で見せるほうが、はるかに信用されます。
実績は、絞ってから増えます。順番が逆ではありません。
絞り込みを社内に説明する時、いちばん出てくる反対意見
対象を絞ると決めた後、社内で必ず出る言葉があります。
「今まで来ていたお客様を、切り捨てるんですか」
これ、まっとうな心配です。
そして、ここで説明を間違えると、絞り込みは社内で止まります。
正しい説明は、1つだけです。
絞るのは発信する言葉であって、受ける仕事ではない、という点です。
具体的に、こう伝えてください。
- ホームページに書く言葉を、1つの層に向けて書き直す。
- 今の取引先への対応は、1つも変えない。
- 絞った層以外から問い合わせが来たら、今まで通り受ける。
- 3ヶ月後に、問い合わせの中身がどう変わったかだけ見る。
この4つを紙にして配ると、反対はほぼ消えます。
そして、いちばん効く伝え方もお伝えします。
数字で見せる事です。
言葉で説明するより、この1枚があるだけで話が早く終わります。
問い合わせ20件で成約4件、単価30万円なら、売上は120万円。
絞って問い合わせ8件、成約4件、単価40万円なら、売上は160万円。
問い合わせが半分以下でも、売上は増えています。
しかも、成約しなかった16件への対応時間が、12件分減っています。
社員にとっては、そこがいちばん響きます。
絞り込みは、客を減らす作業ではなく、届かない相手への時間を減らす作業です。
この一文で説明できるようになると、社内が動き始めます。
よくあるご質問
参入したい市場の競合数は、どうやって調べればいいですか?
いちばん簡単なのは、地域名とサービス名で検索する事です。
検索結果に出てくる会社と、広告を出している会社を数えてください。
広告が出ているという事は、お金を払ってでも取りたい市場という証明です。
競合ゼロで広告もゼロなら、需要がない可能性を疑ってください。
絞り込むと、他のお客様を断る事になりませんか?
断る必要はありません。
絞るのは、発信する言葉であって、受ける仕事ではありません。
初めての方向けと書いてあるページを見て、2回目の人が問い合わせてくる事は普通にあります。
絞った言葉は、絞った相手以外も引き寄せます。
競合と同じ内容になってしまう時は、どう差別化すればいいですか?
差別化は、サービス内容で作るものではありません。
同じ工事でも、書いてある情報の量と具体性で差が付きます。
競合3社のページを印刷して、書かれていない項目を探してください。
そこが、そのまま自社の差になります。
絞った対象で、本当に食べていけるのでしょうか?
計算してみてください。
必要な粗利額を、1件あたりの粗利で割ると、1年に必要な件数が出ます。
年間600万円ほしくて1件30万円なら、20件です。月に2件で足ります。
思っているより、ずっと小さい市場で会社は成り立ちます。
絞り込んだのに反応が変わらない時は、どうすればいいですか?
3ヶ月は待ってください。
書き換えてから検索に反映されるまで、通常1ヶ月から3ヶ月かかります。
それでも変わらない場合は、対象が狭すぎるか、その悩みが浅い可能性があります。
1段階だけ広げて、もう一度試してください。
競合の数は、参入を諦める理由になりません
もう一度お伝えします。
競合が多い市場は、お金が流れていて、必要性の説明も済んでいて、相場も形成されている市場です。
競合がいない市場のほうが、需要そのものがない危険が高いです。
やる事は3つだけです。
対象を1段階だけ絞る。その人の不安を具体的に書く。それが残る場所に置く。
これで、横並びの中から選ばれる側に回れます。
大手と戦う土俵も、はっきりしています。
狭い対象に対して、顔の見える担当者が、具体的な言葉で語る。
これは大手の構造上、真似ができません。
そして、いちばん現実的な近道はここです。
更新を続けている競合は、驚くほど少ないという事です。
月に1回でも直していれば、それだけで上位数社に入れます。
ぜひ、自社の対象を1段階だけ絞ってみてください。
それだけで、書ける言葉が変わります。
僕は、AI × WordPress × テーマSnowMonkeyを組み合わせて、会社のホームページ制作をしています。
競合と比べられた時に選ばれるページにしたい。
対象を絞って作り直したい。
そのようなご相談を、無料でお受けしています。
まずは今のページが競合とどう見えているのか、気軽にご相談ください。
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