「うち、もうネタがないんですよ」
先日、ある社長さんにこう言われました。
新しい商品を考えたいけど、何も浮かばない、と。
でも、その打ち合わせの30分前の事です。
その社長さん、僕にこう言ってたんですよ。
「取引先から、いっつも同じ事を頼まれて困ってるんだよね」
これ、ネタです。
しかも、かなり良いビジネスアイディアのネタです。
ネタがないんじゃありません。
目の前を通り過ぎているのに、拾っていないだけです。
今日は、その拾い方をお話しします。
なぜ、愚痴がビジネスアイディアになるのでしょうか?
なぜなら、愚痴は「すでに検証が終わっている需要」だからです。
会議室でひねり出したアイディアって、まだ仮説の段階なんですよねぇ。
本当に困っている人がいるのか、誰も確かめていません。
だから、作ってから「売れない」と分かる。
でも、愚痴は違います。
実際に困っている人が、自分の言葉で、無料で教えてくれている情報です。
これ以上に確かな一次情報って、なかなかありません。
しかも、人が愚痴を言う時って、必ず何かを我慢しています。
時間を我慢しているか、お金を我慢しているか、気分を我慢しているか。
我慢が発生しているという事は、そこに支払いの余地があるという事です。
そしてもう1つ。
ほとんどの会社は、この愚痴を拾っていません。
みんな聞いているのに、誰もメモしていない。
だからこそ、拾った会社だけが先に動けます。
どうやって愚痴を集めればいいのでしょうか?
愚痴は、次の3つの場所に集中しています。
- 既存のお客さんとの雑談(本題が終わったあとの5分)。
- 現場での独り言(社員さんが漏らす「これ面倒くさい」)。
- 競合サービスのレビューの星3つ(星1は感情的、星5は褒めるだけの場合が多いのでスルー)。
特に狙ってほしいのが、1番の本題が終わったあとの5分です。
商談中は、お客さんは構えています。
でも、書類をしまいながらの雑談になった瞬間、本音が出るんですよね。
確か、刑事コロンボも同じ手法で本音を聞き出しています。

集める時のルールは、たった1つです。
お客さんが使った言葉を、そのままの形で残してください。
「業務効率に課題を感じている」なんて要約したら、ダメですw
「毎回さ、あれ探すのに30分かかんのよ」と書く。
要約した瞬間に、いちばん大事な熱量が消えます。
僕はスマホのメモアプリに「客の一言」というフォルダを作っていて、帰りの車の中で打ち込んでいます。
1日1個で構いません。
1日1個なら、1ヶ月で20個以上たまります。
20個たまると、不思議と似た愚痴が重なり始めます。
集めた愚痴は、どう仕分ければいいのでしょうか?
集めただけでは、ただのメモです。
次の3つの質問で仕分けてください。
- その愚痴を、何人から聞きましたか?
- その人は今、我慢の代わりに何を払っていますか?
- うちの今ある人・設備・知識で、解決できますか?
まず1番です。
3回以上聞いた愚痴だけを残してください。
1回だけの愚痴は、その人固有の事情である可能性が高いです。
逆に、3人から同じ言葉が出たなら、その先に何十人もいます。
次に2番。
これがいちばん大事です。
我慢の代わりに、時間を払っているのか、お金を払っているのか、それとも誰かに頭を下げているのか。
ここが分かると、そのまま価格の根拠になります。
毎月5時間取られているなら、その5時間分より安ければ買ってもらえます。
最後に3番。
ここで「新しく仕入れが必要だ」となる案は、いったん後回しにしてください。
最初の1本は、今ある力で解決できるものを選ぶ。
既にできる事に名前と価格を付けるだけなら、リスクはほぼゼロです。
確かに、愚痴を聞くだけで商品になるのでしょうか?
確かに、愚痴を聞いただけで商品ができあがるわけではありません。
そこには、名前を付ける作業と、価格を決める作業が残っています。
そこが難しいんだよ、と思われるかもしれません。
しかし、ゼロから考えるのとは難易度がまったく違います。
何を解決するかが決まっていれば、あとは表現の問題です。
料理でいえば、材料が全部そろっている状態なんですよねぇ。
ここで1つコツをお伝えします。
商品名は、お客さんが言った言葉をそのまま使ってください。
「業務改善サポート」ではなく「探す時間ゼロにするサービス」です。
かっこいい名前を付けたくなった瞬間、伝わらなくなります。
価格は、最初から完璧を狙わなくて大丈夫です。
3人に「いくらなら買いますか?」と聞いて、その真ん中で出してみる。
高すぎたら下げればいいし、すぐ売れたら上げればいい。
動かしながら決めるほうが、机の上で悩むより100倍早いです。
実際に、どんな愚痴が商品になったのでしょうか?
例えば、ある看板製作会社さんの話です。
工事が終わったあと、お客さんからよくこう言われていたそうです。
「看板できたのは嬉しいんだけど、写真がないからチラシに使えないんだよね」
社長さんは最初、これを聞き流していました。
うちは看板屋であって、写真屋じゃない、と思っていたからです。
でも、5人目に同じ事を言われた時に、はじめて引っかかったそうです。
そこで始めたのが、施工完了後の写真撮影とデータ納品のオプションでした。
金額は数万円。
やる事は、施工に立ち会ったスタッフが、一眼カメラで10枚撮って渡すだけです。
結果として、このオプションは半分以上のお客さんが付けるようになりました。
新しい設備は、カメラ1台だけ。
しかも、撮った写真をお客さんがSNSやチラシで使ってくれるので、看板の宣伝にもなっていきました。
愚痴を1つ拾っただけで、売上と宣伝の両方が手に入ったわけです。
この会社は、新しい商売を発明したわけじゃありません。
すでに現場でやっていた事に、名前と値段を付けただけです。
思いついたアイディアを、いちばん早く試す方法は何でしょうか?
拾った愚痴を、いちばん早くお金に変える方法。
それは、そのサービスの説明ページを1枚だけ作って、世に出す事です。
チラシを刷る必要はありません。
新しい会社を作る必要も、システムを組む必要もありません。
ページが1枚あれば、既存のお客さんにURLを送るだけで反応が測れます。
ただ、ここで多くの会社が止まってしまいます。
制作会社に頼むと、見積もりだけで2週間、公開まで2ヶ月かかるからです。
その間に熱が冷めて、結局やらないまま終わる。
これ、本当によく見る光景です。
逆に言うと、ページを自分で作れる会社は、思いついた翌日にテストできます。
反応がなければ引っ込めればいい。
当たったら、そこから本格的に作り込めばいい。
アイディアの数より、試せる回数のほうが結果を決めます。
今はAI × WordPress × テーマSnowMonkeyを組み合わせれば、専門的な知識がなくてもページが形になる時代です。
文章はAIに下書きさせて、自分で直す。
デザインはテーマの型に流し込む。
この2つができるだけで、社内のスピードは劇的に変わります。
よくある質問
集めた愚痴のどれが商品になるか、判断できない時はどうすればいいですか?
判断できないのは、まだ数が足りていないからです。
20個集めれば、必ず似た愚痴が3つ以上重なります。
重なったものが、そのまま答えになる場合が多いです。
迷ったら、いちばん多く聞いた愚痴を1つだけ選んでください。
お客さんに愚痴を聞くのは、失礼になりませんか?
失礼にはなりません。
「最近、仕事で一番面倒な事って何ですか?」と聞くだけです。
むしろ、自社の商品の感想ばかり聞くほうが、お客さんは気を使います。
関係ない話を聞かれたほうが、人は気楽に喋ってくれます。
社員から出た愚痴も、ビジネスになりますか?
なります。
社員の愚痴は、業務改善だけでなく商品の種でもあります。
自社が面倒だと感じている作業は、同じ業界の他社も面倒だと感じているからです。
自社で解決した仕組みを、そのまま外に売っている会社は実際にあります。
ネタは探すものではなく、拾うものです
もう一度お伝えします。
儲かるビジネスアイディアは、ひらめきからは生まれません。
お客さんの愚痴の中に、もう落ちています。
やる事は3つだけです。
聞いた言葉のまま集める。3回以上聞いたものを残す。今ある力で解決できるものから試す。
これだけで、ネタ切れという言葉は消えます。
そして、拾ったアイディアは、試せなければ何の価値もありません。
大事なのは、思いついた翌日に形にできる社内のスピードです。
ぜひ、今日の帰り道からメモを取り始めてみてください。
1日1個で大丈夫です。
あ、そうそう。
だから、僕はよく札幌すすきのでクライアントや同業者や友人たちと酒を飲みに定期的に行きます。
幸い僕の周りには愚痴を言う人があまりいないので、楽しい飲み会になることが9割ですが、
ビジネスアイディア発掘としてはNGです。
なので、盛り上がりが一段落した時に
「最近困っていること、悩んでいること、面倒なことない?AI使って何か新規事業できないかな?既存事業の改善できないかな?って思っててさ~」
と、酔っ払いながら聞くようにしています。
※僕は遺伝的に酒が強いので、記憶飛ばさずにメモることができますw

そして、もし「拾ったアイディアを自分たちの手で形にしたい」と感じたなら、Webスキルを社内に持つ事を考えてみてください。
僕が運営しているウェブココスクールでは、AI × WordPress × テーマSnowMonkeyを組み合わせて、自社のページを自分で作って直せるようになるまで伴走サポートしています。
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