「実は昔から好きでやっている事があって、それを仕事にしたいんです」
この相談、年に何度か受けます。
話している時の顔が、本当に楽しそうなんですよねぇ。
でも、正直に言いますね。
趣味をそのまま事業にした会社は、かなりの確率でうまくいきません。
ただし、例外が1つだけあります。
今日は、その1つの条件の話をします。
なぜ、趣味を事業にすると失敗するのでしょうか?
なぜなら、趣味は自分が楽しむための設計で、事業は他人の困り事を消すための設計だからです。
この2つは、向いている方向が正反対です。
趣味の世界では、自分が納得できるかどうかが基準になります。
こだわりが強いほど、良いものになります。
でも、お金をもらう側に回った瞬間に、基準が変わります。
お客様は、作り手のこだわりにお金を払っているわけではありません。
自分の困り事が消えるかどうかだけを見ています。
ここがずれたまま始めると、何が起きるか。
良いものを作っているのに、誰にも届かないという状態になります。
そしてもう1つ、厄介な事があります。
好きな事は、赤字でも続けられてしまうんです。
普通なら止まる数字でも、楽しいので手が止まりません。
気づいた時には、本業の利益を何年も食っていたというパターンを、僕は何度も見ています。
失敗する会社は、どこで判断を間違えるのでしょうか?
間違いが起きる場所は、だいたい決まっています。
誰に売るかを決める前に、何を作るかを決めてしまう事です。
趣味から入ると、この順番が必ず逆になります。
自分の中には、既に作りたいものがあるからです。
そして、対象を聞かれるとこう答えます。
「同じ趣味を持っている人みんなです」
ここが危険なんですよねぇ。
同じ趣味を持つ人は、自分と同じで、自分で解決できてしまう人たちです。
自分でできる人は、お金を払いません。
お金を払うのは、その趣味の世界に入りたいのに、入り口で止まっている人です。
経験者ではなく、未経験者。
詳しい人ではなく、何も分からない人。
ここを間違えると、いちばん語りたい相手といちばん買ってくれる相手が、まったく別だという事に気づけません。
例外になる、たった1つの条件とは何でしょうか?
例外の条件は、1つだけです。
その趣味の中で、自分自身が過去に困っていた側だったかどうかです。
好きだから始めた、では足りません。
好きになる前に、恥ずかしい思いをしたり、うまくできなくて悔しい思いをした経験があるか。
ここが分かれ目です。
なぜかというと、その記憶が、そのまま売り物になるからです。
初心者が何で止まるのか。
何が恥ずかしいのか。
どんな言葉をかけられると救われるのか。
これは、最初からできた人には一生分かりません。
そして、この記憶を持っている人は、対象を決める作業で迷いません。
昔の自分に向けて書けばいいからです。
趣味を事業にして伸びる会社は、例外なくここが出発点になっています。
好きの深さではなく、困った記憶の生々しさが武器になります。
確かに、好きな事だから続けられるのでは?
確かに、好きな事なら長く続けられます。
そこは、僕もその通りだと思います。
しかし、続く事と、儲かる事は別の話です。
好きだから続く。
続くから、赤字にも耐えられる。
耐えられるから、間違いに気づくのが何年も遅れます。
これが、いちばん怖い流れです。
とはいえ、好きという気持ちがまったく無駄なわけではありません。
使う場所を変えれば、これ以上ない武器になります。
どこに使うか。
商品ではなく、発信に使ってください。
同じ内容を書いても、好きな人が書いた文章は密度が違います。
細かい話が出てきますし、具体例が尽きません。
この密度は、外注では絶対に作れません。
つまり、こうです。
売るものは相手の困り事から決める。書く言葉は自分の好きから出す。
この分担ができた会社が、趣味を事業に変えられます。
例えば、趣味から始めて伸びた会社はありますか?
例えば、ダンススクールさんのサイトを作った時の話です。
事業主様は、もともと現役のダンサーでした。
好きが高じて教える側に回った、という典型的な流れです。
最初にいただいた原稿には、こう書いてありました。
「ダンスの楽しさを、1人でも多くの人に伝えたい」
気持ちは、痛いほど伝わってきました。
でも、これを読んで申し込む人が浮かばなかったんですよねぇ。
そこで、通っている生徒さんに理由を聞いてもらいました。
返ってきた答えは、楽しさではありませんでした。
「学校のダンスの授業で、うちの子だけ動けなくて落ち込んでいる」
親御さんの、この一言が圧倒的に多かったのです。
ここで、事業主様が思い出した事がありました。
自分も小学生の頃、体育の時間にまったく動けなくて、笑われた経験があったそうです。
ダンスが好きになったのは、そのあとの話でした。
そこからは早かったです。
ページの一番上を、その親御さんの状況に書き換えました。
最初の3回で何をやるのか。
どのくらいで人前に立てるようになるのか。
できない子が、教室のどこに立たされるのかまで書きました。
結果として、体験レッスンの申し込みが増え、そのほとんどが小学生の親御さんからになったそうです。
好きは、講師紹介と練習動画のページに全部集めました。
売る言葉と、好きを語る場所を分けただけです。
趣味を事業にする時、最初に作るべきものは何でしょうか?
最初に作るべきなのは、商品でも道具でもありません。
説明ページを1枚だけ作ってください。
そこに書くのは、3つだけです。
昔の自分が、何に困っていたか。
それを、どうやって消すのか。
いくらで、どこまでやるのか。
この3行が書けない状態で設備や在庫にお金を使うのが、いちばん危険です。
そして、書いたら人に見せてください。
反応が薄ければ、言葉を変えて出し直す。
趣味から始める事業ほど、自分の思い入れで判断が狂うので、外の反応を早く入れる必要があります。
ここで問題になるのが、直す速さです。
制作会社に頼むと、1回書き換えるだけで2週間かかります。
思い入れの強い事業ほど、この待ち時間で判断が鈍ります。
自社でページを直せる状態にしておくと、その日のうちに言葉を変えられます。
今はAI × WordPress × テーマSnowMonkeyを組み合わせれば、専門的な知識がなくても構成と文章を自分で組めます。
よくあるご質問
自分が困った経験がない趣味は、事業にできませんか?
できないわけではありませんが、難易度は上がります。
その場合は、初心者を3人集めて、つまずく場所を横で見せてもらってください。
自分の記憶がないなら、他人の困り方を借りるしかありません。
想像で書いた初心者向けの説明は、まず当たりません。
趣味の事業は、いつまで赤字を許容していいですか?
期間ではなく、金額と条件で決めてください。
本業の利益から出す上限額を先に決めるのが、いちばん安全です。
そのうえで、12ヶ月で何件、いくらという数字を紙に書いてください。
好きな事ほど、判断を先送りしやすくなります。
同業のプロから批判されるのが怖いのですが、どうすればいいですか?
初心者向けに書くと、経験者から物足りないと言われる事はあります。
ただ、その人たちは、そもそもお客様ではありません。
買うのは、経験者ではなく、これから始める人です。
誰に向けて書いているかを、自分の中で決めておいてください。
売るのは困り事、語るのは好きです
もう一度お伝えします。
趣味をそのまま事業にすると、うまくいきません。
同じ趣味を持つ人は、自分で解決できてしまうので、お金を払わないからです。
例外は1つだけです。
その趣味の中で、過去に自分が困っていた側だった場合です。
その記憶が、そのまま商品になります。
やる事はこうです。
昔の自分が困っていた事を書き出す。それを消す形で商品を作る。好きは発信の言葉に回す。
ぜひ、その趣味を始めた頃、何が恥ずかしくて、何が分からなかったかを思い出してみてください。
そこが、いちばん強い出発点です。
僕は、AI × WordPress × テーマSnowMonkeyを組み合わせて、会社のホームページ制作をしています。
好きで始めた事業を、きちんと売れる形にしたい。
誰に向けたページなのか、はっきりさせたい。
そのようなご相談を、無料でお受けしています。
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